阪急杯

個人的な馬券はダイアトニックとグルーヴィットの2頭軸から1,8,9,11,12,15へ3連複流し。ダイアトニック、グルーヴィット、クリノガウディーは思い入れの深い馬で、同じレースに出ると買いたくなってしまう。理で馬券を組むならクリノガウディーを切ってダイアトニックから馬連or3連複とかが良かったのかもしれない。

ということで本題へ。まず前残り馬場と言われているが本当だろうか?と感じている。前残り馬場はポジションで決まる以外に、前後の上がり差が小さくなりやすい。阪急杯開催日はそれに当てはまるだろうか?それよりは最内の方がよほどバイアスを感じるが…というところ。
阪神開催の前残りについては、少し検討してみたい。
※ここから阪神芝が前残りかどうかの検討がめちゃくちゃ長いので、結論だけで良い方は次の※まで飛ばしてください。
※※※
まず2/19の開催。京都牝馬は典型的な前残りで、1〜10着馬が上がり33.7〜34.4の間に収納されていて、上がりが速いのは前の馬。これは確かに後ろは届かないだろうという感じ。
同日つばき賞は元々上位と下位で実力に階層があったレースで1,2着は32.9、3着ダノンブリザードは向かなそうな舞台で33.3。4着以下は似た上がりで同じ傾向。
さらに同日1勝クラスはバリコノユメが33.1で差し込んできたが、他は33.8〜34.2で同傾向。余談にはなるが、バリコノユメは他レースにも存在する傾向に逆らっているので一度チェックしておくべきだ。ちなみに同日6Rは2400の未勝利戦なのである程度体力差による上がり差が出て仕方ない。
以上を考えると2/19阪神は前残り傾向が強いと言えそう。このまま2/20阪神、2/26阪神、2/27阪神を見ていこう。
2/20阪神はまず1800未勝利の1,2,3着馬が34.8,34.4,34.8でそこから断層があって7着馬の35.3、そこからも36.1くらいまで幅がある。また、3,4着馬の着差は5馬身。これは前残り馬場らしい結果ではない。
前残りの仮定の上で考えられるのは前残りの上でもペースが激しすぎて前が破綻したか上3頭が実力抜けていたか。
まず破綻について考えてみる。このレースは1200の通過が1:12.7だった訳だが、前週の2/12阪神5は1:12.2でウィスパメンテが33.6を出した以外はほぼ34.2〜34.9。
前年度の同時期にあったレース(2/21阪神5)は1:10.5で前から決まっていて、1から11着までが35.0〜35.7の中。また、前年度の1:12.5で後ろ2頭→前の馬で決まったレース(2/28阪神4)はその2頭が33.1,33.4で上がり抜け値。そこから34.1,34.2がいる以外は13着まで上がり34.5〜34.8。
ちなみにこのレースで勝ったシュレンヌは次走忘れな草で3人気に推されて7着から登録抹消と明らかにアクシデントのあった履歴。スノーフェアリーの下で、未勝利の内容的にかなり期待されていたのを覚えている。2着だったミスフィガロは皆さんご存知の通り後に紫苑Sを3着。ワグネリアンの下である。一応34.1を出して3着のプリュムドールも今週の松籟S3着の準オープン馬。上がり抜けた2頭は明らかに適性、能力が上だったと考えられるだろう。
これらを鑑みると今回の1:12.7の通過自体は去年のような前残り馬場なら前は破綻しなそうであると考えられそうだし、2/12時点の馬場でも破綻は発生しないように見える。
次に実力差だが、4着で上がり35.9のフォーブスは過去2走上がり差の小さいレースを微差の上がり最速で善戦していた馬。1〜3着馬が高速馬場の上がり勝負が向いていたor覚醒したという理由で着差がついたとは個人的には考えづらい。去年の上がり抜け値のように血統背景もないし、そもそも抜けた馬以外の上位が前の馬で決まっていない。この時点で前残りという命題には疑問符がつく。
6Rの3歳1勝クラス1400は34.5〜35.3の中に1〜9着。4角4,9,4番手決着。これはまあ前では決まってないとはいえ、上がり差は小さいし、前残りの可能性もなくはない感じ。ただ激しい前残りという雰囲気でもない。
10Rの3勝クラス1600は待ってましたの大前残り。33.6から34.0の0.4以内に7着馬まで。1,2,3番手がそのままワンツースリー。1000の通過が1:01.5ならまだまだ前が残る!という感じか。
ただ古馬3勝クラスマイルで1000の通過が1:01.5は流石に参考記録にしてほしいレベルではある。似たようなレースは去年の2/12阪神11洛陽Sで1000の通過が1:02.2。勿論1,2番手でワンツー。6着馬までが上がり32.7〜33.0。
12R2勝クラス1600はサトノラムセスが33.9で上がり抜け値。ちなみに3勝クラス勢が更に緩いペースで同じような上がりだからこの馬は昇級で通用しそう。中段に居た馬が34.4〜34.9の範囲で1番前は微妙に潰れた35.5だが、やや離し逃げなので分からなくはない。しかし、前に負荷がなく、上がり差つきにくくポジション差で決着する高速前残り馬場とは印象が違ってきていると感じる。
ただ2/26で馬場が回復して前残りらしさが帰ってくる。ここまで長すぎなので簡潔に。
4R未勝利1600は大前崩れ。上がり差も普通にめちゃくちゃデカい。ここは注釈がいらないと思う。
8R2勝クラス2400は2400スローらしいポジション勝負でナムラカミカゼが上がり抜け。2〜6着が上がり34.0〜34.2。
10RすみれSが1〜4着馬34.3〜34.5。1,2番手ワンツー。ここは4強レースだと思っているので、ここから断層あるのは分かる。
12R2勝クラス1400は1〜7着馬33.8〜34.6。ここも1,2番手決着。
ということで2/27阪神。前日のこの傾向が継続しているかというところだが、見たところかなり微妙そう。
5R未勝利2000は前残りとは言えなそう。そもそも前で決まってないし、前から2着のダノンソフィアは36.6。これが1.4倍の人気馬。5着の2番人気で4番手から走ったジーショウグンで37.5。勝ち馬が道中ポジション上げながら36.1で3,4着馬は後ろから36.3,36.5。大きな上がり断層と言える。
7R1勝クラスは勝ち馬が34.1で抜けていて、そこから2〜8着馬が35.0〜35.8。ただ後ろの馬の方が前の馬より明確に良い上がりを使えている。当たり前じゃないか!と言われそうだが、その当たり前が当たり前じゃなくなって前残り馬場が発生している。前残りの止まらない馬場なら余力の差がそこまでないため、ポジション悪い馬は加速が難しく、一部は前の馬に上がりで負ける。
松籟Sは3200なので参考外にするが、前では決まってない。
マーガレットSも後ろは後ろなりに上がりを上げているし、前は落としている。1秒差以内に上がり34.3〜35.6まで差がついており、前は止まる感覚。
この傾向の中で阪急杯。1,2番手は止まって1秒差以内に33.8〜35.1。他のレースと併せて考えてみてもやはり2/27阪神に前残りの傾向は無さそうに見える。
※※※
以上から見るとこの2週の阪神は前残り→普通→前残り→普通で遷移している。土曜開催に比べると日曜開催は明らかに前への負荷が強くなっており、前残り馬場らしさは失われる。これが週中の馬場整備の影響なのか他の要因なのかは分からないが、基本的な傾向として抑えてみても良さそう。
ということで、個人的には阪急杯開催日は前残りか?の問いにはNO。ただ、直線内ラチ1頭分のバイアスはかなり大きく感じる。
当日のレースを見返して特に違和感が強かったのは7Rアサケレディ。前目から競馬して上がり35.2は8番手から5着のロードトランスと同じで、中団のダノンジェネラルより0.2速い。これはかなり傾向から外れる。強いと考えることもできるのだが、この馬は直線最内の内ラチ1頭分を突いていた。
マーガレットSも前が苦しくなったレースだが、2着ショウナンマッハはかなり粘れていて、これも内ラチ1頭分。4着エテルナメンテも同じライン。
阪急杯でこのラインを通したのはダイアトニックとトゥラヴェスーラ。他の結果から見ても0.2〜0.3は得してるんじゃないかと考えていて、この2頭が抜けたのは通した馬場の分かなと感じる。
その他の内外で伸びの差や前後ろ等での差はそこまで感じない。他はバイアスよりレース自体を見て良さそう。

ここまででエネルギーを使ったので各馬評は簡潔に。
・ダイアトニック
まあここでは1枚上手だったか。個人的にはこの馬に対し1400巧者!と言うのも1400は相手が弱いだけ!と言うのも微妙。そもそも1400を走っていたのは条件戦が多く、1200の成績が悪いのはキーンランドでリズムを崩した影響が大きい。馬が弱く、1400が相手のレベルで勝ってるなら高松宮記念の不利なければほぼ勝ってそうだった3着が説明がつかないし、1600で2kgもらって負けたマイスタイルに1400は同斤で勝てたのもよく分からない。
基本的にはマイラーと戦う時は短い方が向くだろうし、1200はおかしくなってしまってからしか負けていないと思っている。
高松宮記念は良いコンディションのまま臨めるなら楽しみなレース。馬は強いと思う。

・トゥラヴェスーラ
単純に能力高い馬だが、今回は内のバイアスにも乗れた。鮫島騎手は考えて乗る騎手でバイアスをよく使ってくる。今回はなんだかんだ前哨戦として使ってきただろうし、本番にも期待はある。何にでも本番に期待!って書いてるみたいだが、高松宮記念自体メンバー的にそこまでラインは高くないと思うので十分足りてくると思ってる派閥です。
一応、内突いて得する量に関してはダイアトニックよりこの馬の方が大きかっただろう。進路が上手く開いて勝ち馬の後ろを抜けているのだから、後ろで競馬する税金はほとんど払ってない。何回か書いてる気はするが、後ろで競馬することはテンの足を使わなくて済み、効率的なペースで競馬を出来る代わりに、ポジションとそれに付随する進路を失い、多くの場合距離ロスもするという戦略で、これらの代償を払わないほど有利になる。

サンライズオネスト
カーバンクルの内容は今までに比べ上がっていて、調教でも良い時計を出していた。能力は上がってきていて、重賞でも戦えるようになっていると思う。今回も最内のバイアスなければ上位と好勝負だったのでは。
ただまあ最後に脚色が衰えていることからも直線は短い方が良さ出そうで、坂路で超好タイム!みたいな馬は今までの経験上急坂コースベスト。狙い所は絞った方が良いかもしれない。あからさまに中山、阪神狙いで、坂で止まったから平坦向きます!みたいに出てくる函館や札幌はちょっと疑問視したい。

・グレイイングリーン
右回りだとちょっとモタつくイメージ。ここでも勝つようなら当然高松宮記念もいけるだろうなと思いながら見ていたが、流石にダメだった。でも5着はよく走れているし、最後は伸びていた。左に戻してからが勝負だと思う。

・ミッキーブリランテ
復活の糸口は掴めてきたかなと。基本的には自信の上がりが33秒台になるような馬場が良い馬で、そこまで高速になりきらなかった今回は微妙だったか。楽してなんぼってタイプだと思うので、春の高速東京、京王杯SCでリベンジが1番それっぽいかなと。

・グルーヴィット
今回はダイアトニックに譲って番手で競馬するつもりが何故かダイアトニックが引いてポジションが悪くなり、直線は何故かヴィジュネルの後ろについていって前が墜落、内からトゥラヴェスーラに侵入された。かなり可哀想な競馬で、サンライズオネストとヴィジュネルを勘違いしたんじゃないかとすら感じている(流石にないとは思う)。次のレースで見直せるが、そんな抜けて強いわけでもないし、エアグルーヴの直系は本当にファンが多いのか良く売れるので買えるかは微妙。自分は好きなので買うと思うが。

今回はこのあたりで。ちょっと書き過ぎた気はするし、記事も読みにくくなってしまった気がするので、次回からは簡潔に読みやすく書こうと思う。